【脳血管内治療における数値流体力学 ～ CFD（Computational Fluid Dynamics）の最前線～】 脳動脈瘤の血流解析におけるCFDの手法とその原理

数値流体力学（CFD）は幅広い分野で利用されており，医療分野も例外ではない．CFD は流体力学の支配方程式である連続の式とナビエ・ストークス方程式をコンピュータで解く数値解析手法であり，流れの詳細を把握するうえで非常に有効な手段だが，使い方を誤ると間違った結論を導いてしまう危険性があり，その特徴や原理を理解することが非常に重要である．本稿では，CFD でよく聞かれる有限要素法や有限体積法といった手法の使用場面や，流速と圧力という2つの異なる物理量の解き方など，CFD の計算原理の概略をまず解説し，その後にCFD で必要な5つの工程（領域形状作成，計算用格子作成，解析条件の設定，計算実行，結果処理）における作業内容と注意点について解説する．