皮膚・軟部組織のメカノバイオロジーとメカノメディシン―形成外科・美容医療・創傷治療におけるメカノセラピー

小川 令,高田弘弥, 小山太郎,佐野仁美,赤石諭史

医学のあゆみ(2016)

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Abstract
◎メカノバイオロジーは,張力やせん断応力,静水圧や浸透圧といった物理的刺激が,細胞,組織,臓器あるいは生体にどのような影響を与えるかを解析する生物物理学の研究領域である.メカノバイオロジーが基礎となる医学研究はメカノメディシンである.さらに著者らは,形成外科,美容医療,創傷治療に携わる形成外科医としてメカノメディシンを実際の臨床現場で考え,物理的刺激をコントロールする医療“メカノセラピー”を実践してきた.皮膚・皮膚付属器・皮下組織はつねに内部および外部から物理的刺激を感受し,その機能・構造を維持している.さらに,形成外科・皮膚外科・再建外科手術,あるいは美容医療・抗加齢医療においてもメカノセラピーが臨床現場で用いられている.創傷治癒の促進,瘢痕形成の抑制などにも物理的刺激のコントロールは重要であり,さらにケロイド,肥厚性瘢痕,Recklinghausen 病,Ehlers-Danlos 症候群,Marfan 症候群といった皮膚疾患においても,その発生機序や症状に物理的刺激の関与を考え,メカノセラピーを実践して治療にあたる必要があると考えられた.
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