混合性結合組織病におけるU1 RNP70-Kd蛋白とU1 RNAによる立体構造を対応抗原とする抗U1 RNP抗体の臨床的意義の検討

Juntendo Medical Journal(2011)

Cited 1|Views2
No score
Abstract
抗U1 RNP (ribonucleoprotein) 抗体は, snRNP (small nuclear RNP) の一つであるU1 RNPに対する自己抗体で, 厚生労働省特定疾患混合性結合組織病 (mixed connective tissue disease: MCTD) 調査研究班が提唱した診断基準において, 同抗体の存在はMCTDと診断する際の必須項目とされている. 抗U1 RNP抗体の対応抗原であるU1 RNPは核質に存在し, U1 RNAと9個のポリペプチド (70kDa, A, B/B', C, D, E, F, G) より構成され, このうち70kDa, AおよびC蛋白が主要エピトープであるとされている. MCTDは全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus: SLE), 多発性筋炎・皮膚筋炎 (polymyositis: PM, dermatomyositis: DM), 強皮症 (systemic sclelosis: SSc) の側面を併せもった病態であるが, 免疫学的には, これらとは異なった疾患であることが示唆されている. 本論文ではMCTD患者血清を用いて, 抗U1 RNP抗体が認識する対応抗原と臨床像に関する検討を行った. 当院に受診歴のある185例の患者を対象とした. recombinant 70-Kd, AおよびC蛋白質を抗原としたELISAs (enzyme linked immunosorbent assays: ELISAs) (P-ELISAs), さらにU1 RNAを追加したELISAs (C-ELISAs) および70-Kd, A蛋白にU1 RNAを結合させた抗原を用いた免疫沈降法でU1 RNP 70-KdおよびA蛋白とU1 RNAの結合により生じる立体構造を認識する抗U1 RNP抗体を検出した. その結果, 185例のうち免疫沈降法ではすべての血清がU1 RNP 70-Kd蛋白とU1 RNAの結合により生じる立体構造を認識することが示された. さらに13例ではP-ELISAsによる反応はみられなかったが, C-ELISAsでは反応がみられた. 陽性例の69%の症例はSLEの診断基準を満たしており, 抗二本鎖DNA抗体が有意に高値で中枢神経ループスの合併が高率であった. これらの結果から, U1 RNP 70-KdとA蛋白およびU1 RNAの結合により構成される立体構造を認識する抗U1 RNP抗体陽性例はMCTDの中でも異なった免疫異常を有する群であることが示唆された.
More
Translated text
Key words
Diagnosis
AI Read Science
Must-Reading Tree
Example
Generate MRT to find the research sequence of this paper
Chat Paper
Summary is being generated by the instructions you defined