Black spot disease of European pear, a new disease caused by Alternaria alternate, (Fries: Fries) Keissler.

1993年,新潟県白根市のセイヨウナシ‘ル・レクチエ’圃場において,芽の腐敗や葉に淡褐色～黒色の不整形斑点を生ずる病害が発生した.葉では, 5月下旬頃から小黒斑点の病斑が出現し始め, 7月下旬以降急増した.また激しい場合,病斑は拡大し落葉した.同様の病害は,セイヨウナシ‘ゼネラル・レクラーク’にも確認された.病斑部からは高率にAlternaria属菌が分離され,分生子の形態的特徴および培養性状から,本菌はA. alternata (Fries:Fries) Keisslerと同定された.本菌を‘ル・レクチエ’葉に噴霧接種した結果,葉の斑点病徴が再現され,接種菌が再分離された.また,本菌の接種により品種間差異を検討したところ,‘ゼネラル・レクラーク’,‘ル・レクチエ’が感受性で,‘バラード’,‘‘越さやか’‘ラ・フランス’,‘マルゲリット・マリーラ’,‘シルバーベル’およびニホンナシの‘二十世紀’は抵抗性であった.本菌によるセイヨウナシの病害は初めての報告であり,本病害をセイヨウナシ黒斑病(black spot of European pear)と称することを提案する.