A Case of Gastrointestinal Stromal Tumor Suspected to be Primary in the Rectum.

症例は56歳,男性. 2001年1月初旬頃より肛門痛出現.持続するため近医受診した後,精査治療目的にて当科紹介入院.精査にて下部直腸右側方を圧排する様に発育した径10cm大の巨大な骨盤内腫瘤を認めた.経肛門的針生検を施行しGISTの疑診を得て,開腹術を施行した.術中迅速病理にて良性神経鞘腫との診断を得て,腫瘤摘出術を施行するに止めた.摘出に際し腫瘍と上部直腸,前立腺,精嚢とは比較的容易に剥離できたが,下部直腸右側前壁に剥離困難な部分があり一部直腸全層切除を余儀なくされた.術後の病理学的検索では,HE染色にて紡錘形細胞が不規則な束状増殖を呈し,さらに免疫染色の結果(c-kit抗体陽性など)も考慮しmalignant potentialをもったGIST, uncommitted typeと診断した.現在,再発兆候はないが厳重なfollow upが必要と考えられる.