A clinical analysis of poorly differentiated thyroid carcinoma

1999年から2009年までに当科で手術加療をおこなった甲状腺低分化癌の23例について同時期に手術加療を行った乳頭癌180例と比較検討した。内訳は男性8例，女性15例で，年齢は40歳から88歳までであった。TNM分類はT1：4例，T2：2例，T3：2例，T4a：13例，T4b：2例であった。初診時遠隔転移症例が4例，初診時内頸静脈塞栓をみとめたものが2例あった。23例中15例で病理組織学的に周辺組織浸潤を認めた。内訳は反回神経浸潤14例，気管浸潤8例，食道浸潤8例，喉頭浸潤1例であった。平均観察期間は79.2±43.5ヶ月間，生存15例（非担癌生存12例，担癌生存3例）他病死4例，原病死4例であった。10年全生存率は52.4%，10年疾患特異的生存率は76.9%，10年無病生存率は58.3%であった。同時期に手術加療を行った乳頭癌症例180例と比較すると上記生存率は有意に低かった。