EXPRESSION OF KIT IN ADENOID CYSTIC CARCINOMA OF THE BREAST
Nihon Rinsho Geka Gakkai Zasshi (journal of Japan Surgical Association)（2006）
Abstract
乳腺腺様嚢胞癌は稀で,特殊な乳癌とされている.今回はKITの免疫染色を加えた結果を報告し,考察する.症例は81歳,女性.主訴は右乳腺腫瘤でマンモグラフィ検査では高濃度を示す腫瘤陰影として描出された.超音波検査では腫瘤性病変のなかにいくつかの嚢胞性の部分がみられた.手術は腫瘤摘出術と右腋窩リンパ節のサンプリングが行われた.病理組織学的検査で腺様構造と偽腺管構造を有し,上記と診断された.サンプリングされたリンパ節には転移がみられなかった. 本症例のエストロゲン,プロゲステロン受容体(ER, PgR), HER-2は陰性で,一方Vimentin, KITは陽性を示した.乳腺腺様嚢胞癌に対するKIT発現の報告はわが国では初めてと思われ,このような極めて特異的な免疫学的特性は他の乳癌の鑑別に有用と考えられる.さらに本症の予後は良好で局所の完全切除が行われれば腋窩リンパ節郭清は必要ないと思われる.
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Key words
adenoid cystic carcinoma,breast,kit
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