[Diagnosis of old anterior myocardial infarction and evaluation of left ventricular function by QRST isointegral map].

体表面87点の単極誘導心電図から求めた, QRST isointegral map (I-map)と, QRST subtraction I-mapにより,前壁梗塞の診断および左室駆出率の推定を行なった.対象は陳旧性前壁梗塞47例であり,健常成人46例を正常対照群とした.前壁梗塞のQRST I-mapでは負領域が左胸部に張り出し,極大および極小の位置が健常人に比して有意に左下方に偏位した.またQRST subtraction I-mapにおけるn subtraction, ∑ subtraction, ∑ DIの指標は駆出率と比較的良い負相関を示した.また梗塞例の標準12誘導心電図V4誘導におけるQRST積分値と正常のそれとの差も駆出率と負相関を示し,簡便な方法として臨床応用が可能と考えられた.