Lobectomy: video-assisted thoracoscopic surgery versus simple lateral thoracotomy.

c-TIN0肺癌に対するR2郭清を伴う肺葉切除におけるVATSと側方開胸での術中術後経過の差異について比較検討した.対象は1997年6月から1998年9月までに当院で肺葉切除+R2を施行したc-T1N0肺癌症例52例である (男性35例, 女性17例, 平均年齢57.9歳).開胸器を一切使用せずVATSにてアブローチした症例は22例 (VATS群), 胸腔鏡を併用しながら開胸器を使用して側方開胸にてアプローチした症例は30例 (側方開胸群) であった.両群における小開胸創の長さ, 手術時間, 術中出血量, 胸腔ドレナージ期間, および術後在院日数について検討した.小開胸創の長さはVATS群で有意に短かったものの (VATS 群, 6.2cm;側方開胸群, 9.7cm;p<0.0001), 手術時間 (VATS 群, 177.2分;側方開胸群, 166.6分;n.s.), 術中出血量 (VATS群, 35.2g;側方開胸群, 32.5g;n.s.), 胸腔ドレナージ期間 (VATS 群, 3.7日;側方開胸群, 4.1日;n.s.), および術後在院日数 (VATS群, 9.1日;側方開胸群, 9.7日;n.s.) には有意差を認.めなかった.手術ノスクの低い患者においては, 側方開胸による肺葉切除術はVATS lobectomyと同程度に低侵襲であると考えられた.